第2回目は、物件のこと、リノベの依頼先、工事期間などの基本情報をお伝えします。
住人
現在48才の会社員の夫と、49才のフリーライターの妻の2人暮らし。このマンションには2004年に入居しました。
もともとは賃貸物件で、13万円の家賃を払いながら暮らしていたところ、オーナーさんから売却のお話をいただき、2015年に購入しました。
リノベしたのは翌年の2016年です。
物件
1969年に建てられた築古マンションです。
わが家の専有面積は77㎡。4階建ての最上階で、エレベーターはなく、外階段を使います。
(この「エレベーターなし」が、工事費や設備の手配などに影響しました。その件は第5回、第6回でお伝えします)
元の間取りはこちらです。
不満だったこと 1 : 暑さ・寒さが厳しい
南側・西側・北側が外に面していて、日当たりや風通しはいいのですが、
窓はシングルガラスで、天井裏の断熱材はゼロ。
最上階なので、屋上の熱がダイレクトに伝わってきて、夏場は石窯の中に住んでいるようでした。
浴室はタイル張りのうえ、窓が2つあるため、冬は極寒。
給湯器が古くてぬるま湯しか出なかったこともあり、毎日の入浴が修行のようでした。
50代・60代になっても無事に暮らすためにも、この暑さ・寒さの解消が最優先になりました。
不満だったこと 2 : リビングが狭い
この間取りは昔の「団地」に近く、キッチンが6畳もあります。ここにテーブルを置いて食事をする前提なのでしょう。
でも、私たちはリビングでゆっくり食事がしたかったので7畳のリビングにダイニングテーブルとソファを置いて、狭い思いをしながら過ごしていました
食器を運ぶ動線が長く、冷暖房中はドアを2つ開け閉めしないと行き来できないのも不便でした。
不満だったこと 3 : キッチンが使いにくい
広さには恵まれていましたが、シンクや調理カウンターが狭い、コンロが据え置き式のテーブルコンロなので掃除しにくい、などの不満がありました。
ガスの配管がコンロの真後ろを通っているなど、安全面にも問題がありました。
依頼先
リノベ計画をご相談したのは、仕事で長年おつきあいのある「おうちや」の宮地亘さん。ローコストな家づくりを積極的にすすめている建築家さんです。フレンドリーなお人柄で同世代ということもあり、率直に要望を伝えられました。
施工をお願いした工務店は、宮地さんが紹介してくれた末吉林業さん。ひょうひょうとしたキャラクターの社長の末吉さんと、私たちの間に、宮地さんがつねに立って、こまかな調整をしてくださいました。
わが家には仕事上のつてがあったので、スムーズに依頼先が決まりましたが、本来はもっとも悩むところだと思います。
つてがない場合はどうすればいいか、私なりに考えていることを、このシリーズの後半でお話したいと思います。
予算
親からの借り入れを含め、現金で用意できた300万円が総予算。この中でできるリノベを考えました。
リフォームローンを利用しなかった理由は、第3回の記事でふれる予定です。
工事の期間
2016年7 月上旬の2週間です。
わが家のリノベは2週間でできたから300万円におさまった、といえるかもしれません。
というのは、工事費は建材などの「ものの値段」と、職人さんの日当などの「人の値段」で成り立っていて工期が長いほど「人の値段」が増え、トータルの金額もアップするからです。
(ちなみに、工期が長いと仮住まいにかかる費用も増えます)
職人さんの日当はあらかじめ決まっているので、人の値段を減らすには、作業日数を減らすしかありません。
でも、その方法って、自分たちではよく分からないですよね。
やはり予算オーバーしたときは、「ものの値段」を減らそうとするかたが多いと思います。
食洗機をあきらめようとか、キッチンやフローリングのグレードを落とそう・・・というふうに。
その前に「もう少し工期を短くする方法はありませんか?」と依頼先に聞いてみてください。工事の種類を減らしたり、施工の方法を変えるなど、「人の値段」を減らす方法を提案してもらえるかもしれません。
長くなりましたが、基本情報はここまでです。
次回は、リノベ計画全体の中でやったこと・やらなかったことをご紹介したいと思います。