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2020.07.01 【人】【親の宿題プロジェクト 第5回】お母さまの写真を撮影。話は流れて「遺影」の問題に

いよいよアルバム整理の実作業がスタート。今回はモニターAさんの協力の下、アルバムに載せるお母さまの写真を撮りにうかがいました。
新型コロナの感染予防のため、ご自宅にはお邪魔せず、戸外での撮影に。5月にしては強い日差しが降り注ぐ中、お母さまは車椅子で参加してくださいました。

家の周囲で撮影スポット探し


カメラマンのるう、制作進行のジョナ、ライターGの3人がAさん宅に到着したのは、午前10時半ごろ。ほどなくしてAさんがお母さまをサポートしながら外に連れ出してくれました。

車椅子に乗ったお母さまは薄化粧をして、春らしい薄手のブラウスをお召しでした。ご機嫌をうかがうと「暑いわね」とお返事が。日陰から出るとまぶしそうに目を細めていらっしゃいます。

撮影スポットを探して、家の周囲をあちこちと移動。るうは画になりそうな背景を見つけると、お母さまに声をかけながらシャッターを切っていきます。ご自宅の玄関前、新緑の植え込みの前、ちょうど見頃を迎えていたツツジの前・・・お母さまは酸素吸入をされているため、撮影するときだけチューブを外していただき、車椅子の上で姿勢を整えた姿を写真に収めていきました。

お母さまの体調も考えて、30分ほどでおいとますることに。デイサービスの時以外はほとんど外に出ることがないそうなので、短時間でもお疲れになったかもしれません。ご協力ほんとうにありがとうございました!

「この写真は遺影には使わない」


数日後、るうからメンバーとAさんにお母さまの画像が送られてきました。メンバーの感想は「きれいに撮れてる!」「ほほえんでるカットがいいね」「お花のきれいな時期でよかった」などなど、成功を喜ぶものがほとんど。その後、Aさんのリクエストを受けて、お顔のシワやたるみなどを修正したあと、感想を聞いてみると・・・

「修正はお願いしてよかったです。でも、母の反応は微妙だったかな最近は孫と一緒に撮ることはあっても、一人で写ることはないですし、やっぱり歳をとった自分の姿はあまり見たくないのかも。特にほほえんでる表情は『無理に笑ってるみたいで自分らしくない』んですって」。意外なことに、メンバーがいいと思ったカットは、ご本人にとっては不本意なものだったのです。

私たちは、こうして撮ったポートレートが遺影としても使えるかどうか検討していましたそこでAさんにもそれを尋ねてみたところ、返事はさらりと「遺影には使わないと思うなぁ」でした。

「数年前に病気して風貌が変わってしまったから、私たち家族にとっての母のイメージって、現在の母じゃないんですよ。遺影は家族が見るものだから、やっぱり病気する前の、元気なころの母がいいだから写真としての出来がよくなくても、15年くらい前の写真を加工して使うと思います」

この話には、メンバー全員が深く考えさせられました。もちろん、私たちのプランは遺影のサービスではありませんが、「歳をとるとなかなか写真を撮る機会がないから、アルバム整理を機にポートレートを撮ってあげたら、遺影としても使ってもらえるかもしれない」と考えていたのです。

でも、その時の姿が遺影に向いているかどうかは、別の問題だったのです。親が病気をしたり高齢になったりして、顔だちや表情が変わり、家族の持っているイメージから離れていったとき、その写真を遺影にしたいとは思わない---遺影にちょっと若いころの写真が多いのには、こういう理由もあったのですね。

もちろんこの問題は、アルバム整理をオーダーしてくれるお客さまの年代にもよります。たとえば60代や70代前半で「元気なうちにきちんとした写真を撮っておきたい」と思うかたなら、このポートレートを遺影にも使われるかもしれません。
ただ、それはご本人やご家族が決めること。私たちがそれを想定する必要はないんだね、としみじみしながら、メンバーそれぞれは帰途につきました。

https://note.com/oyanoshukudai/n/nc2664b89c39e