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神楽坂の気になる人たち

2017.11.20 【人】茶道を嗜みダンスも踊る書楽家で、モテ男(!?)と噂の安田有吾さん

ひとまちっくすのスタッフから、「神楽坂イチのモテ男がいる……」という噂を耳にしたのは今夏のこと。聞けば神楽坂育ちの40代独身で、書楽家で茶道も嗜み、イケメンダンサーとして舞台にも立っているというので、「それは気になるわ!」とさっそく取材を申込みました。

真夏日だったこの日、爽やかな笑顔でお出迎えしてくださいました。

ちょうどそのとき、神楽坂のギャラリー「五感律 パレアナ」で作品展「今日ノ筆」を開いていた安田さんに会いに行くと、ファンらしき女性たちに囲まれていたため、作品を撮影して挨拶するのみで退散……。

お茶を点てるときはいつも真剣です。

しばらくして、今度はイベントスペース「神楽坂プリュス」でお茶会を開いていると聞き、夕暮れ時に伺ってみると……。会社帰りと思われるOLさんたちが、安田さんに熱い視線を送りながら、おうすとお菓子で一服していたのでありました。安田さん、和服もよくお似合いなんです。

せっかくだからダンサーの安田さんも観てみたい!と、所属するコンドルズの公演「日本縦断新未来ツアー2017 Never Ending Story~まちがいのコンドルズ~」を親子で観に行ったら、「ゆうごくん、かっこよかったね!♥」と5歳の娘も大興奮!舞台終了後に挨拶に行くと、またしても女性ファンに囲まれていました。

コンドルズの公演ポスター下半分をパチリ(実物は縦長です)。安田さんは右から五番目。

満を持してアポを取り、安田さんが昔バイトをしていたという神楽坂の珈琲館で話を聞くことに。なんとご実家は6代続けて茶道を教えているそうで、今も80歳になる茶道家のお母様にはお弟子さんが20人ほどいるそうです。

「僕が母からお茶を本格的に習いはじめたのは30歳からですけど、子どもの頃から間近で見てきた茶道の世界はもう日常なんですよ。師範をとるのも当たり前のことで、今も週に一回は朝から晩まで8時間ぐらい母と一緒にお茶をしています。その間は空気がピリッとして背筋がシャンとするので、大切な時間なんです。いろいろ自由にやっている自分にとっては」

ご自宅でのお稽古の様子。(安田さんのHPより)

きっと、お母様のお弟子さんたちにも可愛がられて育ったのでしょう。「女性の集団のなかにひとり安田さんがいても、全然違和感ないですよね」と言うと、「あ、そうそう。だから女性には慣れてますよ(笑)」と余裕の笑顔。そういうことをサラッと言えちゃうあたり、さすが噂に聞いていただけのことはあります。

「ものづくりは父に教わりました」という安田さんのお父様は元カメラマンで、庭師として長く働いていたそうです。「手先が器用で、子どもの頃はおもちゃでも家具でも何でも作ってくれました。僕が生まれる前は、母がずっとニューヨークで働いていたことも手伝って、60年代のニューヨークのハーレムの写真を撮ったりもしていたみたいです。二人とも自分の好きなことをして自由に生きてきた人なんですよね。僕なんか何にも決めないまま生きて、26,7歳で書楽家になるまでバイト生活でしたから」

えー! ヒッピームーブメントの時代にその渦中で仕事をするなんて、なんとアナーキーでクールな格好いいご両親! そんな自由人のもとで育つと、サラリーマンになろうなんて思わないのも頷けますね。

「今日ノ筆」展の安田さんのコメント。

安田さんが書をはじめたきっかけは、オーストラリアで暮らしたことがきっかけだったのだとか。

「25、26歳の時、ワーキングホリデービザでメルボルンに滞在したんです。ワーホリ時代に友達と企画したクラブインベントのポスターづくりをキッカケに、日本の両親から送ってもらった書道具で文字を書き始め、勢いだけで初めての個展をメルボルンで開催。そのときの作品がほとんど売れたことで調子にのり、本格的に書楽家としての活動をはじめました」

安田さんの作品はどれもラブレターなのです。

「字を書くのは小学生の頃から好きだったんですよ。体操着の名前も自分でレタリングしていました。書道教室には一年だけ通いましたけど、それ以降はすべて独学です。大人になってからは、ラブレターもよく書きましたよ(笑)。字は自分の気持ちを伝える最高の手段。だから今も自分が書く字はすべてラブレターの延長のような気がしています」

う〜ん、名言ですね。安田さんならではの説得力あるお言葉です。

赤ちゃんのお名前も書いています。

地元の地域センターで不定期開催している安田さんのワークショップ「書楽家時間」は、スタートしてから5年目を迎えます。

「みなさん、人生を何十年と生きているわけで、字もその人特有の形があるんですよね。その文字の個性を大切にしてほしいので、僕が書く字はヒントであってお手本ではないんです。だから僕は先生ではないし、先生になろうとも思わないですね」

「書楽家時間」は最近、地方からもお呼びがかかるようになり、47都道府県全国での開催を目標に頑張っているそうです!

「人に媚びる生き方は嫌だった。そう生きるには芸術家しかないな!と思いました」という安田さん。陶芸や家具づくりなどもしたけれど、「やっぱり字が好きだ」と今の道を選ばれたそうです。それ以降は自分から宣伝しなくても、書いた字を見た人から声がかかるようになり、徐々に仕事が増えていきました。

KIRINビール期間限定「一番搾り 夏冴えるホップ」は、谷川俊太郎さんの詩を安田さんの文字でデザイン。

主な活動内容は作品展をはじめ、題字・店舗看板・ロゴ、チラシ・表札・赤ちゃんのおなまえ額、パフォーマンスイベントなど。作品のほうは、神楽坂の人気中華料理店「龍朋(りゅうほう)」のメニュー表から各種チラシ、最近ではKIRINビール期間限定「一番搾り 若葉香るホップ」、「一番搾り 夏冴えるホップ」の文字、味の素冷凍食品主催の全国五都市ギョーザステーションイベントの提灯の文字など。

神楽坂住民なら知らない人はいない「龍朋」のメニューは安田さんが書いてます。

「龍朋」のショップカードの文字も。

30歳のときに行きつけの「龍朋」で、コンドルズの近藤良平さんと知り合ってダンスをはじめたというのも、地元民ならではのエピソードで面白いですね。

今年の秋、京都大覚寺で開催された「ONE PIECE ART “NUE” 『魔獣と姫と誓いの花』展」でも、安田さんが文字を手がけたそうです。どんどん活躍の幅が広がっていますね!

チラシの文字もたくさん手がけています。

何をやるにも「楽しいことが基本」という安田さん。そのスタンスに共感する人がきっと集まってくるのでしょう。生徒さんの男女比を聞くと、「99%女性です」と期待を裏切らないお返事(笑)。

しなやかな動きと笑顔が素敵です。(安田さんのHPより)

ところで、子どもたちと遊ぶイベントでも大人気の安田さんですが、自分の子どもがほしいと思ったことは……?

「子どもはほしいですよ。でもそれって運命だと思うんですよね。いま43歳で独身で結婚願望はありませんが、別に結婚しないって決めているわけでもないし。魅力的な女性っていっぱいいるじゃないですか。死ぬまで出会いはあると思うので。うーん、キリがないなぁという気はしています(笑)。それは女性に限らず、魅力的ないろんなこと、キリがないからこそ、そのときの感覚を信じて、自分できちんと決めて進んでいきたいですね」」

最後に、今回の記事は「気になる人」コーナーに掲載しますと伝えたところ、「僕のこと、気にしてほしいです。もっともっとみなさんの気になる人になりたいです!」と満面の笑み。このストレートなアプローチと人なつこい笑顔、モテる理由がよくわかりました(笑)。お話も楽しくて時間を忘れるほど魅力的な方でした!

安田さんのことをもっと知りたい方は、公式HPをご覧くださいね。

取材・文=樺山美夏