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2018.03.01 【人】長唄の世界をより多くの方たちに届けたい!〜東音 野呂美貴さん

長唄(ながうた)」を聴いたことはありますか?
歌舞伎の伴奏音楽として、江戸時代に始まる日本の伝統芸能のひとつ
唄い手さん(唄方:うたかた)三味線を演奏する三味線方(しゃみせんかた)とによって奏でられる音楽です。

この唄方として東音会(東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業生による長唄の演奏団体)に所属して活動するのが、今回ご紹介する野呂美貴さん。

お話を伺った当日は、演奏会に出演されるとき同様に、髪を結いキリッとしたメイクに、鮮やかな橙色のお着物で現れてくださいました。
野呂さん神楽坂にお住まい出身地の愛知東京の2拠点を行ったり来たりしながら、長唄を教えたり、演奏会に出演されたり、とプロの唄方さんとして忙しく活動されています。

長唄との出会いは10歳のとき。
愛知県江南市のご出身で、お母様が趣味として習っていた小鼓(こつづみ)の稽古場について行くようになったのが始まりでした。小鼓だけでなく三味線、唄と習ううちに、気がつけば、東京藝術大学音楽学部邦楽科長唄専攻に入学。
大学の入試では、唄方か三味線方のどちらかを選ばなければならないのですが、野呂さんが選んだのは唄方。子どもの頃から、色々とお稽古してきたけれど、「唄うことが一番好き、自分に一番合っていた」からかな……とのこと。静かな語り口の中に唄うことへの情熱が垣間見えます!

決してメジャーな音楽とは言えない長唄野呂さんの周囲でも長唄を習っている友達は少なく、話題にすることは難しかったそうです。それでも、長唄を唄い続けてきたのは、他の音楽にはない魅力があるから。
長唄を演奏するときに、指揮者はいません。唄方と三味線方とが、息を合わせて演奏します。そこが面白いところ!
唄方と三味線方にそれぞれ「タテと言われる人がいて、その人に音を合わせることにはなっていますが、その時その時で演じ手全員の息の合わせ方は変化します。その変化も楽しめるダイナミックな音楽でもあるのです。

今回、野呂さんのお話を伺う前に、長唄の演奏会を初めて鑑賞させて頂きました。様々な長唄の演目をまとめて聴くと、音色やリズムが思っていたよりラフルで多様なことに驚かされました。単調な音楽で、ちょっと退屈かな、というイメージを持っていたのですが、ライブで聴かせて頂くとそのイメージが覆された感じです!

長唄に触れることができる機会は、現在ではなかなか少ないのが現実。
かつては会社の中に長唄部があったりなど、長唄は「大人の嗜み」として親しまれたものでした。時代は変わりましたが、新たに長唄の世界にやってくる人たちもいます。伝統芸能の持つ奥深さに魅了されたり、日本の伝統文化を海外の人に伝えたいとお稽古にやってくる人もいるそうです。

神楽坂教室でのお稽古

また、子ども達に伝統芸能を伝える活動にも積極的です。野呂さんは、伝統芸能を広める活動をしている、公益社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)主催の「キッズ伝統芸能体験」という子ども達向けの体験ワークショップにも参加。学校の授業に伝統芸能が取り入れられたことで、授業を担当する教師に教えたりすることもあったりと活動の場を広げています。

愛知県での公演より:小学1年生のお弟子さんと

長唄文化の中心にいる人たちは、今後も変わっていくのかもしれません。長唄を伝統文化と構えず、唄うことが楽しい、唄うことは健康にいいなど気軽な理由で長唄に親しめる場がもっと広げていけたら。野呂さんは「長唄をもっと広めたい」と模索する日々です。

演奏会の帰り道にて

では、長唄のお稽古はどんな感じなのでしょうか?
お稽古時間は30分〜1時間程度。場所は公民館などを使ったり、外出が難しいなどの場合には出稽古として、ご自宅に伺ってお稽古をすることもあるそうです。細かなことはご相談ください!
(連絡先:nagauta.mk@hotmail.co.jp)

是非、長唄を観てみたい! という方は、野呂さんも出演される長唄のこちらの公演に是非、足をお運びください。

第147回 長唄女子東音会
2018年4月6日(金) 第1部 12時開演/第2部15時30分開演
国立劇場小劇場
詳しくは、こちらをご覧ください→
http://www.touon.com/about-touon/nagauta-touonkai-ayumi/archives/2018/20180406