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2017.08.25 「防災に強いまちづくり」を神楽坂から考える〜桜井民雄さん

なかなか毎日の生活の中で、「もしも大地震が来たら」と考えることは難しいかもしれません。けれど思い起こせば、6年前の2011年3月11日、都内で起きたことは決して小さな出来事ではありませんでした。それからどんなに時間が経っても何かが起こった時、それに備えておくことが大切なことには変わりはありません。

今回は、そんな防災の視点から神楽坂のまちづくりを考えている桜井民雄さんをご紹介します。

災害への備え、と聞くと何を思いつきますか? 
自宅にはひとまず食料や水を備えてある、家族との連絡方法は決めてある、など自分や自分の家族の備えはそれなりにしているよ、という答えが多いかもしれません。

新宿区の防災に関するウェブサイトhttp://www.city.shinjuku.lg.jp/anzen/kikikanri01_002083.html)には、地震への備えとして、
①自助(自分の身を守る)、
②共助(近所やまちを守る)、
③公助(区の震災対策)
の3つが挙げられています。
この「①自助」はそれなりに取り組まれて来ているのですが、実は「②共助」の部分が弱い、特に神楽坂のような都心のまちは弱い、と桜井さんは言います。

桜井さんは、生まれも育ちもほとんどずっと新宿区矢来町
この春から、初めて矢来町の町内会の役員をつとめることになりました。
おそらく東京の多くのまちがそうであるように、矢来町周辺もマンション住まいが増え、より若い住民の人たちから町内会に入会する数は減っています。そんな中で、昔からの住民たちとより新しい住民たちと、いろんな人たちのつながりを広めたり、深めたりできないだろうか? それが、桜井さんが町内会の役員を引き受けるときの強い思いでした。

役員を引き受けてから桜井さんが始めたことがあります。
まずゴミ問題に取り組むこと
そして「共助」としての防災への備えに取り組むことでした。

都会のゴミ問題はなかなか簡単ではありません。
収集場所の掃除をしたり、集積場についての困りごとを聞いて、区と相談してゴミの出し方を知らせる掲示を出したり、とにかくできることから少しずつ取り組んでいるそうです。

桜井さん4年前から、朝、矢来町周辺の掃除をしています
誰かのために自分ができることは何だろうか、と考え始めていた頃に、ふと始めてしまったとか。毎日のように掃除を続けていると、いろいろなことに出会う、掃除をすることが様々なきっかけになるのだな、と思うようになりました。ゴミの問題にまず注目したのは、そんな桜井さんが一人で続けてきた小さな活動に端を発しているようです。

そして、まちとしての防災への取り組みです。
例えば、避難所。確かに、「ここが避難所ですよ」と指定された場所はいくつもあります。でも、そこまで本当にたどり着けるのでしょうか?
桜井さん自身、もしも大地震が起こって、ここで大規模な火災が起きたら……と考えたとき、年老いて足の弱くなった自分の親を指定の避難所まで連れて行くのは難しいと考えました。

避難所にたどり着くまでの道の途中に、いくつか中継地があったら……。普段は、住民がふらりとお茶を飲みに立ち寄れる休憩の場、何かイベントをできる集会の場。そうした場所が、災害が起きた時には一時避難所としても使える。そういう場所がもっとたくさんあったらいいのに、と考えています。

万が一の時」の備えは、日頃から、住民同士の関係ができていること、住民が行き慣れている場がいくつもあることが大切。そんなまちのあり方を考えたいと、同じ思いを共有する友人たちと勉強会も始めました。

勉強会

「まち」は、多くの人の集まりで、色々な違いも持っている人たちの集まり。
桜井さんは、まずは小さな活動に取り組みながら、このまちに住む一人一人とのつながりを作っていきたいと話します。

神楽坂は歴史の古いものと新しいものとが混在するところが魅力、と言われますが、それは言ってみれば何かを変えるスピードがゆっくりということでもあります。町内会という古くからあるつながりを活かしながら、新しいつながりを作っていく……焦らず、ゆっくり一歩ずつ桜井さんの挑戦は続きます。

by Aa-chan